多くの命が、町が失われた東日本大震災の被災地。4年あまりたつ今、ここで新たな産業を創出する「イノベーション」が起きている。宮城県山元町では、従来の農業にはなかったブランド戦略で1粒1000円のイチゴを開発。水産業が壊滅的な被害を受けた三陸の沿岸部では、ライバル同士だった各地の若手漁師たちがグループを作り、高品質の魚介類を直接、消費者や海外へ販売する動きを始めている。これらの動きを後押ししているのが、都会の企業でバリバリ働いていた若手の人材たち。ITを活用した資金調達を取り入れ、幅広いネットワークを生かして必要な人材や市場とつなぐ役割を果たし、従来にはないビジネスを次々に興している。既存の枠組みが壊れたからこそ起きているイノベーションの現場を取材し、日本の地方や国全体が活力をもつためのヒントを探る。
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