今や、地球温暖化による気温の上昇が、食の生産現場に深刻な影響を及ぼすことは避けがたい。愛媛では温州ミカンの皮が浮き上がり、山形のサクランボではヒョウタンのような奇形「双子果」が続出。コメの王様「コシヒカリ」は、新潟で一等米の比率が2割となる事態も発生した。こうした中、気温上昇を前提とした「適応策」が、各地で進んでいる。新潟では、県が対策専門のポストを新設し、農家への技術指導に力を入れるとともに、暑さに強い新品種の開発を推進。愛媛のミカン農家では、暑さに強いブラッドオレンジの栽培が加速し、一方サクランボの産地・山形では、将来の気温上昇を見越したミカンの試験栽培が始まっている。産地の取り組みを通じて、適応への課題とともに、どうすればこの窮地を、次の産業を生み出すチャンスへつなげられるのか考える。
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