今、認知症になっても、自分らしく、最期まで充実した人生を生きることを可能にする「早期の医療とケア」が、世界で注目を集めている。脳画像など最新技術の検査が普及し、会話や生活の能力を十分残した「初期」段階での診断が可能になったためだ。しかし日本では、診断後のサポート体制がいまだ不十分なために、いたずらに不安を募らせて引きこもるなど、結果的に症状を悪化させてしまうケースが後をたたない。一方、スコットランドでは、診断直後からリンクワーカーと呼ばれる専門職が1年間集中的に関わり、必要な支援と結びつけることで、認知症とうまく付き合う方法を見つけ、進行を緩やかにする効果をあげている。「初期」段階での支援充実で、発症後の生き方はどう変わるのか?日本の現状とスコットランドの実践を比較しながら考えていく。
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