11月末、日本の農業政策の大転換となる「減反制度の廃止」が決定する。コメの生産調整がなくなれば、生産規模の拡大や輸出増大に弾みがつくと期待する農家がいる一方で、助成金を支えに経営を維持してきた零細農家は、存続の岐路に立たされる。また今回の制度改正によって、これまで“聖域”として守られていた米価も、他の作物と同様に市場の需給によって決まることになり、コメ農家には高い経営力が求められる。国の成長戦略の下で、生産力拡大を旗印に進められる農業の構造改革。 “減反廃止”決定がもたらす生産現場への波紋、新たに開ける可能性を追いながら、日本農業の今後を展望する。
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