生産されながらも消費者の元に届かず捨てられてしまう「食品ロス」は年間400万トン。この秋こうした無駄を減らそうと、全国で「3分の1ルール」と呼ばれる流通の商慣習の見直しが始まった。これは、小売りでの欠品を防ぎ消費者の鮮度志向に応える為、賞味期限までの期間を「メーカー・卸」「小売り」「消費者」という流通過程で3等分し、それぞれの期間内に各流通段階を通過しなかった“在庫商品”はその時点で排除するというものだ。この結果、賞味期限は充分猶予があっても、大量の食品ロスを生んでいた。今回、メーカーと卸、小売りが協力して「3分の1ルール」緩和に挑戦。さらに小売のスーパーの中には消費者に理解を呼びかけるところも出てきた。賞味期限が迫っていることを消費者に正直に伝えながら値引きなどで販売。食品ロス削減の成果を挙げ始めた。長年の商習慣に切り込んだ業界の苦闘ぶりを伝えつつ、一方で背景にある消費者の「要求」を見つめ直していく。
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