人がハンドルやアクセルを操作しなくてもクルマが自動で運転する「自動運転車」。不注意による事故の減少や渋滞の緩和につながると期待され、今月14日から東京で始まるITS(高度道路交通システム)世界会議で、最先端の技術が一同に発表される。欧米ではGMやフォルクスワーゲン、日本勢ではトヨタや日産など、各メーカーが次世代技術の重要な柱と位置づけている。なかでも、日産は、カメラが信号を認識して停車したり、無人で空きスペースを探して駐車するなどの技術を搭載したクルマをいち早く2020年には販売する見通しだ。さらに、各メーカーが研究開発に力をいれているのが、その核となる「人工知能」である。この研究が進めば、運転者は手放しでも目的地に着くことができる。IT技術でリードするグーグルを中心に先行するアメリカ勢、官民挙げて巻き返しを図るドイツ勢など、次世代の覇権を賭けた国家間の競争が熾烈さをましている。自動運転は社会に何をもたらし、自動車メーカーの構図をどう変えうるのか、その最前線を追う。
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