いま国境を越えた“税金逃れ”、国際租税回避が世界中で深刻な問題になっている。多国籍企業は税率の低い国に利益を移転し、数百億円を超える資産を持つ富裕層はタックスヘイブンを利用した複雑な節税スキームを駆使し、税務当局の目を逃れているからだ。日本の国税当局が指摘した海外が絡む申告漏れは2800億円超。これでも海外に逃げた巨額な租税回避マネーのごく一部に過ぎないと見られている。こうしたなか、税収不足に悩む先進各国は、協調してタックスヘイブンや租税回避スキームへの包囲網を形成してきている。今回、NHKは国際包囲網の基幹をなす「国際タックスシェルター情報センター」(本部ワシントン・ロンドン)、通称JITSICへの独占取材を許された。ベールにつつまれた「国際組織」の活動などを通して、世界中を移動する脱税マネーと、網をかけようとする当局の激化する攻防を、最先端の現場から描き出す。
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