警察の不祥事が止まらない。去年の懲戒免職者数は過去最多となり、最近では、女性への集団わいせつ行為など、警察官である前に人としての資質を問われるケースのほか、ベテランによる捜査書類の改ざんなども相次いでいる。組織的な不祥事が相次いだ13年前に、「刷新」を掲げて大改革が行われたはずの警察で、なぜまた不祥事が繰り返されているのか。取材を進めると、若手警察官のモラル崩壊に加え、組織内での管理が年々強化されて現場の閉塞感が高まっているという実態が明らかになってきた。危機感を強めた警察は、採用方法の見直しや「使命感」を回復させる倫理教育など、これまでにない取り組みに着手している。治安を脅かしかねない「警察官の質の低下」「組織の弱体化」は食い止められるのか。警察学校への密着や不祥事を起こした元警察官への取材を通して、巨大組織が直面する深刻な事態と動き始めた人材育成の取り組みを伝える。
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