医療によりただ命を長らえるのでなく、自分らしい生き方を守りながら最期を迎えたい。いわゆる「平穏死」や「自然死」を扱った本がベストセラーとなるなど大きな関心を集める中、高齢者たち自身が自分の死に方・医療のあり方についての意志を表し、行動を起し始めている。多死社会の到来が目前に迫り、医療費削減への国民的議論も高まる中で、高齢者の意志をどう実現するかが、今大きな課題だ。しかし、終末期医療の現場では、高齢者本人が書面で意志を残していたとしても、延命措置の是非を巡って親族間で意見が対立したり、医師の側にも裁判で訴えられることへの懸念も強く、延命措置を拒否するのは難しいのが現状だ。高齢者の「最後の希望」をどうかなえるのか、最先端の事例を交えながら考える。
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