失業率が8%を超え、国民の6人に1人が貧困レベルに達し、先の見えない壁に突き当たるアメリカ。格差是正を政府が主導して“平等”な社会を目指すのか、それとも徹底した“自由”競争の追求か。現職のオバマ大統領に、共和党の候補指名を確定させたロムニー氏が挑む今秋の大統領選挙は、アメリカという国のあり方そのものを問う議論にまで発展している。その選挙の鍵を握るのがアメリカ経済を牽引してきた中間層だ。リーマンショック以来、職や家を失い貧困レベルギリギリのところで踏みとどまっている人も多く、彼らの選択が今後のアメリカの進路に決定的な影響を与えることになる。大きく異なる二つの国家観を巡り揺れる中間層を追い、岐路に立つアメリカの行方を探る。
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