今年3月、国内最大手のフィルム映写機メーカーが破産し、半世紀の歴史に幕を下ろした。その背景には「フィルム」を廃し、「デジタルデータ」で配信することで、莫大なフィルム現像コストや映写技師の人件費を削減しようというアメリカ・ハリウッドを始めとした大手配給会社の思惑がある。国内では既に、大手シネコンの8割以上がフィルム映写機を使わなくなり、来年には「完全デジタル化」が完了するとも言われる。その一方、ミニシアター等の小規模映画館の閉館が相次ぎ、フィルムで世界中の多様な映画が上映されてきた環境は失われようとしている。映画の代名詞だった「フィルム」は消えてしまうのか?映画の灯を守り続けてきた映写機技術者や映写技師の“今”を見つめ、考える。
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