震災による景気の冷え込みが危惧されるなか、日本経済を立て直す切り札の一つとして注目されているのが、中小企業の海外進出だ。成長著しい新興国で成功を収められれば、日本国内にも雇用と活気をもたらすと期待を集めている。先陣を切る町工場の一つが、名古屋の金型メーカー、ナガラだ。2年前から日本人技術者が、ベトナムの自動車メーカーに部品作りの「先生」として乗り込んでいる。高い技術さえあれば、工場建設の資金も必要としないこの“先生ビジネス”を足がかりにベトナムで販路を拡大するのが狙いだ。しかし、言葉や文化の違い、予期せぬトラブルへの対処など、様々な困難が待ちかまえていた。ナガラの取り組みに密着し、アジアを目指す中小企業の可能性と課題を考える。
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