アメリカで、経済を底辺から支えてきた1100万人に上るメキシコなどからの不法移民への対応をめぐり、ヒスパニック系などと白人保守層などとの対立が深まっている。西部アリゾナ州では、治安を守るためだとして不法移民の摘発を強化する州法を制定、オバマ政権が差し止めを求めて裁判に発展した。取り締まりが強まるなか、長年暮らしてきた不法移民たちは、強制送還されるのではないかと不安を募らせている。同様の法律制定の動きは全米に拡大、市民権をめぐる憲法規定の見直し論議まで起きており、ヒスパニック系住民や不法移民に労働力を頼る農業団体などが反発を強めている。11月の中間選挙を前に不法移民に揺れるアメリカの苦悩を描く。
みんなのコメント