医薬品、食品、化粧品などの原料となる微生物などの生物資源。その多くは発展途上国に存在する。今、その生物資源をめぐり、世界で対立が起きている。途上国は、自国内の生物から利益を得た先進国の企業は、応分の利益を配分すべきと強く主張。先進国との間でルール作りのための話し合いが続いているが、溝が埋まらない。こうした中、その影響が身近なところに出始めている。日本の製薬メーカーは海外での微生物探索が困難になり、新薬の開発に影響。ワクチンの原料となるウイルスまで利益配分の議論の俎上に上り、感染症対策にも影を落としている。世界対立の背景と影響を探るとともに、地球上の生物資源から得られる利益を世界でどう分け合ったらいいのか考える。
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