消費不況が続く中、従来の視覚や聴覚ではなく、嗅覚に訴えかけるビジネスに注目が高まっている。大手の航空会社や自動車メーカー、さらに、進学塾やパチンコ店まで、幅広い業種がにおいを活用して、イメージアップや販売促進を狙っているのだ。こうした“においビジネス”を可能にしたのは、記憶力を高めたり、禁煙を手助けする効果があるとされる“機能性アロマ”や、10時間以上も香りを長続きさせる最新の“におい噴霧器”の開発だ。その一方、人工的な香りの氾濫によって、日本人がもつ繊細な“香り文化”が失われているのではないか、自然のかすかなにおいを教える必要があるのではないかという専門家の指摘もある。いま急速に広がりつつある“においビジネス”とどう付き合えばいいのか考える。
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