今、都市部のお年寄りの食卓に異変が起きている。景気低迷により中小のスーパーが次々と閉店。高齢者の買い物環境が悪化し、肉や野菜、魚、果物など、生鮮食品をほとんど摂ることができない”フードデザート(食の砂漠)”が広がっていると言う。ある大学の調査では、こうした地域に住むお年寄りの2人に1人が「栄養不足」であるという。調査に参加した専門家は、高齢者の慢性的な栄養不足は、老化を加速し、肺炎や脳卒中などのリスクを高め、寝たきりにつながりかねないと、危機感を強めている。90年代、”フードデザート”の問題が深刻化したイギリスでは、国を挙げて対策に乗り出し、街づくりを根本から見直すことで危機を克服した。日本の現状と、イギリス北部の街での解決のプロセスを取材。その方策を考える。
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