いつ、どこでも食べたいものが手に入る「飽食ニッポン」。しかし今、生きていく上で欠かせない営みであり、日々の喜びであるはずの”食べる”という行為が軽んじられる時代になっている。若者たちにとって、今や主食はスナック菓子やアイスクリーム。その結果、栄養不足に陥り、血液に異常を抱えるケースも増えている。さらに食べることに関心がなく、サプリメントで最低限の栄養さえ取ればいいと考える人も増え続けている。その一方で、医療や介護の現場では「食べる」という行為を治療の一環として再評価する動きが出始めている。寝たきりで話すこともできなかった患者に食事ができるよう訓練を施した結果、言葉を取り戻し、散歩できるまでに機能が回復した例もある。様変わりする食の現実を見つめ、私たちは食とどう向き合っていけばよいのかを考える。
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