アメリカ発の金融危機が世界に広がり、とりわけ欧州では、大手自動車工場が相次いで操業停止に追い込まれたり、外資の引き上げで破たん寸前に追い込まれる国が出たりするなど、深刻な影響を及ぼしている。その欧州からいま、新たな国際的な金融の枠組み作りを目指す動きが始まっている。中心になっているのは、イギリスとフランス。イギリスのブラウン首相は世界に先駆け、金融機関に巨額の公的資金を投入、フランスのサルコジ大統領も欧州金融庁の創設を呼びかけるなど、アメリカ型の「市場万能主義」を見直し、一定の規律ある金融システムの導入をもくろむ。週末にアメリカで開かれるG20を前に、金融危機を乗り越え、新たなシステムづくりで主導権を握ろうとする欧州の挑戦を通して、今後の世界経済の行方を見つめる。
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