1ドル=90円台と急激な円高が進んでいる。世界各国の通貨が大幅に下落している中で、円だけが値上がりする「独歩高」になっているのが大きな特徴だ。なぜ円の独歩高になっているのか、その背景には世界のマネーが、各国の市場から引き揚げられていることから「消去法的に」円が買われていること、そして「低金利の円を借りて高金利の外貨資産を買う」円キャリー取引を一斉に手仕舞っていることなどがある。マネーの「逆回転」によって進む急激な円高は、日本の製造業に暗い影を落としている。外需の落ち込みに加え、円高が進めば企業経営がますます厳しくなるからだ。急激な円高の背景と、日本経済に与える深刻な影響について伝える。
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