急増する救急搬送のなかで、特に増えているのが65歳以上の高齢者だ。じつはそのなかには、本来救急で対応すべきでない例も多い。背景には、国が推進してきた医療制度改革がある。改革で療養病床が削減される一方、在宅ケアを担う”かかりつけ医師”の確保が十分に進んでいない。「医療の空白」が見え隠れする中、自宅に帰された高齢者は体調を崩した時には、救急にすがらざるを得ないケースが頻発している。そして、運ばれた高齢者が救急病床を占拠し、救急の現場を更に圧迫させていることも起きている。変化する医療ニーズにどう対応していくべきか、先進的な在宅ケアの取り組み例も紹介し、あるべき医療体制を考えていく。
みんなのコメント