今、派遣業者による違法行為が急増している。厚生労働省による是正指導は年間6200件。この5年間で38倍になった。禁止されている建設現場などへの派遣、二重派遣による不当な搾取、派遣期間オーバーなど違反事例は多岐にわたる。背景には、正社員より人件費が安い派遣社員を求める企業に応えようと、派遣業界が急拡大している現状がある。違法行為から派遣社員を守るため、連合は労働者派遣法の改正を模索し始めた。一方、財界はグローバル競争を勝ち抜くためには雇用の多様性が必要だとして、派遣法の規制緩和を政府に要望している。相次ぐ違法派遣の背景と今後の行方を見つめる。
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