国が電力会社に指示した調査の結果、全国の原子力発電所で重大な事故隠しなど多くの不正が明らかになった。このうち北陸電力の志賀原発1号機では、平成11年、「臨界事故」が発生していたにもかかわらず、事故は発電所ぐるみで隠ぺいされていた。このとき原子炉では、「即発臨界」と呼ばれる急激な核反応が起きていた可能性があることも判明。原子炉の安全にとって想定外の事態が起きていたにもかかわらず、安全よりも作業工程を優先するための隠ぺいだった。電力業界では、平成14年、東京電力によるトラブル隠しが発覚して以来、再発防止を誓って様々な改革を行ってきた。しかし今回の調査の過程で、ミスを犯しても自ら言い出せず、それを教訓にできない体質が、業界に未だ残っている実態が浮かび上がってきた。電力会社の「隠ぺい体質」は本当に変わるのか。新たにわかった志賀原発の臨界事故の詳細と、電力会社の再発防止に向けた取り組みを追い、検証する。
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