容疑者から自供を引き出す「落とし」のプロ。遺留品から犯人の手がかりを割り出す「鑑識」の達人。数々の事件を解決に導いてきたベテラン刑事たちが姿を消そうとしている。1960年代の安保闘争の時代、治安維持のために大量採用された「団塊世代」の警察官が、いよいよ今年から大量退職するためだ。今後10年間で、全国の警察官の実に4割が退職する。今回NHKが行ったアンケートの結果、全国の警察の多くが、ベテラン警察官の退職に伴う捜査力の低下に強い危機感を持っていることが明らかになった。そうした中、愛知県警では、伝説的なベテラン刑事が直接若手を指導する勉強会を開くなど、対策に乗り出した。警察の捜査力を支えてきたベテランの熟練技術を、どう次の世代に伝えていくのか。窃盗や放火を扱う愛知県警の現場にカメラを入れ、大量退職に揺れる警察の模索を追った。
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