先月27日、福島県の佐藤栄佐久知事が、県発注の公共工事を巡る談合事件で実弟が逮捕されたことを受け辞任した。弟の佐藤祐二容疑者は、東京地検特捜部の調べに対し、「おととしの知事選挙の際、建設業者などから受け取った数千万円の資金を兄の陣営に渡した」と供述。特捜部は、前知事がこうした経緯を把握していなかったかどうか調べを進めるものとみられる。88年の初当選以来、クリーンなイメージを打ち出し、建設業者とは距離を置いてきたとされる前知事。しかし、5期18年の長期県政のもと、前知事の政治団体の代表として存在感を増した祐二容疑者が談合を仕切り、業界との癒着を深めていったと見られている。関係者のインタビューをもとに、自治体トップ周辺と建設業界の癒着の構図に迫る。
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