日本初の敵対的TOB(株式公開買い付け)成立か?注目を集めた王子製紙による北越製紙株取得の戦いは、結局失敗に終わることとなった。いち早く経営統合のプランを北越側にもちかけ、そのメリットを株主にも提示した王子。にもかかわらず業界にも投資家にも支持を得られなかったのはなぜか。王子の中枢にカメラを据え、戦いを見ていくと、欧米型の買収・合併に拒絶反応を示す日本の体質が浮かび上がる。しかし実は事態は切迫している。製紙業界をはじめ多くの業界で、来春の外資による本格参入を前に合併を進めておかないと、世界的再編の波に飲み込まれると指摘されている。「大買収時代」が否応なく近づく中、日本企業の抱えるジレンマを描く。
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