一ヶ月に及ぶ激しい戦闘の末、ようやく停戦となったレバノン。イスラエルとの徹底抗戦を貫いたイスラム教シーア派組織ヒズボラは勝利を宣言し、その支持基盤をより強固なものとした。停戦監視を行う国際部隊の増強が進む中でも、武装解除には全く応じない構えだ。一方、イスラエルでは、ヒズボラの脅威を取り除けないまま停戦を受け入れたオルメルト政権への批判が高まり、強硬路線に向う動きが強まるなど、双方の火種は依然くすぶったままだ。更に、ヒズボラの”勝利”は「親米アラブ国家」とも言われてきたサウジアラビアやエジプトをも揺るがそうとしている。宗派を越えてヒズボラの戦果を称える民衆の怒りの矛先が親米政権側に向けば、アメリカの中東政策はますます厳しい状態に追い込まれることとなる。停戦後も、大きく揺れ続ける中東情勢の行方を探る。
みんなのコメント