今年2月、警察庁は、免許の更新時に認知症かどうかを調べる検査を導入する方針を打ち出した。背景には、認知症の患者が運転中に引き起こす事故が相次いでいる実態がある。警察庁の推定によれば認知症のドライバーは全国で30万人。去年6月には浜松のバイパスで車が逆走し、対向車が分離帯に衝突する事故が起きた。運転していた男性は、逆走したことを全く覚えていなかった。認知症患者の事故をどう防ぐのか、課題は多い。地方では通院のために車を使っている認知症患者が多く、免許を取り上げれば生活の手段を奪うことにつながる。高知県のある自治体は「高齢者交通アドバイザー」を置き、免許を自主的に返納した人を対象に公共交通機関の料金を割引く制度を導入した。今後急増が予想される認知症ドライバー。その実態と対策に迫る。
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