「戦後初のデフレ」との政府見解が示されたのは2001年3月。クローズアップ現代では、その直後に「シリーズ・デフレの現場」(2本)を放送した。「百貨店に登場した激安スーツ」「中国移転を決断した東北の縫製工場」「ローンを繰り上げ返済するサラリーマン家庭」など様々な”デフレの現場”を取材した。それから5年。いま政府は「デフレ脱却宣言」のタイミングを探っている。今回のシリーズではかつての”デフレの現場”を再取材。デフレが日本経済に何をもたらしたかを検証する。シリーズの1回目は”消費・企業編”。百貨店で高級品が売れ筋になる一方で、縫製工場では一向に加工賃が上昇しないなど、取材からはデフレの5年間で定着した経済の構造的な変化が見えてきた。景気回復ムードが広がる一方で景況感の地域的なばらつきや格差拡大が指摘され、「実感がない」という声も聞かれる今の日本経済の実相に迫る。
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