今月1日、アメリカ各地で100万人を超える中南米からのヒスパニック系移民がデモ行進し、世界の注目集めた。その怒りの矛先は、議会下院が可決した「不法移民を犯罪者として訴追する法案」だ。労働者の20人に1人を占める不法移民は、アメリカになくてはならない労働力。こうした不法、合法をあわせて4000万人、黒人を抜いてアメリカ最大のマイノリティーになったヒスパニックは、不法移民を訴追しようという動きに、初めて結束して立ち上がった。各地で繰り返される抗議行動は、その影響力の大きさを見せつけるものとなっている。これに対して、保守的な白人社会からは、なぜ不法に滞在、就労する外国人が権利を主張するのか、このまま不法移民を放置するわけにはいかないとの声も噴出。合法的就労や滞在の道を開くべきだとする擁護派との間で世論は真二つに割れている。移民の国アメリカが直面するジレンマを現地から伝える。
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