地方を中心に、総合病院が深刻な医師不足に陥っている。北海道などでは、半数以上の診療科が「休診」に追い込まれている総合病院も少なくない。背景にあるのは、平成16年にはじまった「臨床研修医制度」だ。若い研修医に多くの経験を積ませるために研修期間を延ばした影響で、総合病院への医師の供給源だった大学部医局在中の医師が大幅に減少、派遣を止めるようになったのである。多くの町で総合病院が機能しないという事態になり、大きな住民不安を引き起こしている。こうした危機を打開するための模索も始まった。多くの科に精通し専門医療への橋渡しをする医師、いわゆる「家庭医」導入の動きである。新たな医師制度のなか、浮かび上がっている課題とその解決策を探る。
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