燃やされた車9000台、拘留者4400人。フランス全土で2週間にわたって続いた暴動から2ヶ月あまり、その波紋がいま社会全体に広がっている。目立つのは当局側の強硬な姿勢だ。暴動に加わった若者の国外追放などに着手、移民系市民に人気が高いラップ音楽を規制しようとする動きも出ている。移民系への恐怖感を強めた多くの市民が当局を支持しているのだ。一方、移民系市民の間では、移民系同士の結束を強め集会やデモなどをとおして当局の政策に自分達の意見を反映させようという活動が始まっている。
双方の亀裂が深まるなか、これまでの移民政策について根本から見直しを迫られているフランス。「自由・平等・博愛」という国家理念を実現させることは出来るのか、現地報告からさぐる。
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