死者20万人、難民270万人。戦後の欧州で最悪の紛争となったボスニアの民族紛争が終結してから今月で10年目を迎えた。しかし、3つの民族が「民族浄化」の名のもと、泥沼の殺戮を繰り広げた傷は今も癒えていない。ホロコースト以来と言われる大虐殺が行われた町スレブレニツァでは、今も犠牲者を捜索する作業が続いている。戦前この町に暮らしていた遺族の多くは憎しみと恐怖が今も消えず、難民施設に留まり続けている。そうした中、ボスニアの戦後復興を支援する国際社会は民族間の融和を取り戻そうと、この10年間模索を続けてきた。戦後、民族ごとに分かれた子どもたちの学校教育を改革し、戦前のように同じ教育を受けさせる試みもようやく始まった。しかし、お互いの不信感をぬぐい去ることは未だ難しい。民族が融和したボスニアを取り戻すことは出来るのか。紛争当時、国連特別代表として和平交渉の最前線に立った明石康氏をスタジオに招き、ボスニアの今後の行方をさぐる。
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