自営業者などの医療費負担の支えとなっている国民健康保険。今、高騰する保険料を支払えない滞納者が急増、加入世帯全体の2割に上っている。自治体の窓口には、負担の大きさを訴える人の姿が目立ち、”全額自己負担”に怯え市販薬に頼っていた滞納者の病が重篤に陥るケースも現れた。背景にあるのは社会構造の変化。かつて国民健康保険制度が始まった頃には加入者に占める農家や自営業者の割合が高かったが、今はフリーターの若者や年金生活者など無職が大半を占めている。収納率の低下に頭を悩ませる自治体は、各戸訪問など対策に乗り出しているが、保険料を払って貰うのは容易ではない。国民健康保険制度の現状と自治体の模索を検証する。
みんなのコメント