8月12日、厚生労働省は16種の魚介類について、妊婦が食べるときの量の目安を発表した。これは魚に含まれるメチル水銀が低い濃度でも胎児には悪影響を及ぼす可能性があると言う海外の研究結果を分析した食品安全委員会が、安全基準を従来の6割の水準に引き下げたことを受けての対応である。魚の栄養は、胎児の脳を発達させ、大人では動脈硬化を予防するなど日本人の健康を支えてきた。国の発表が妊婦以外の人々の過剰反応を招くと、国民全体の健康にむしろ不利益をもたらしかねない。水銀による胎児への悪影響を未然に防ぐため、いかに国民に誤解なく食の安全情報を伝えるか、その課題を見つめる。
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