いま、住み慣れた町で安心してお産が出来ない、という事態が全国各地に広がりつつある。地域の総合病院が産科医不足を理由に、次々とお産の受け入れをやめているからだ。行き場を失った妊婦たちは、大きなおなかを抱え、隣町の病院に通わざるをえなくなっている。その背景には、昼夜を問わない過酷な勤務や、出産時の医療事故をめぐる訴訟が多いことなどを理由に、産科を辞める医師が多い上、新たななり手も少ないという構造的な問題がある。このため産科医不足は地方だけでなく、大都市でも共通した問題になっている。なぜこうした事態を防げなかったのか? どうすれば妊婦が安心してお産のできる場を確保出来るのか? 揺れるお産の現場を見つめる。
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