創設60周年を決意の年として3月20日、大胆な国連改革を打ち出したアナン事務総長。「貧富の格差、貧困問題の解決なしには、世界の安全保障はありえない」との思想を貫く。中でもイラク戦争で機能不全を見せた安全保障理事会の改革に注目が集まっている。日本の国連代表部はドイツ、インド、ブラジルとともに常任理事国入りを目指し、大票田のアフリカ諸国を含めた多数派工作を進めている。しかし、常任理事国の枠組み変更など、安保理改革は歴史的に見ても困難を極める作業だ。9月までに安保理改革に結論を出すよう強く求めるアナン事務総長。安保理拡大に依然、慎重な姿勢を崩さないアメリカをはじめとする現・常任理事国。具体的な改革像をめぐって各国のせめぎ合いが熾烈化する外交の最前線も含め、揺れる安保理改革を見ていく。
みんなのコメント