全国の市町村の数を現在の3分の1にしようという「平成の大合併」。しかし今、この急速な改革の矛盾が露呈している。
国は、「合併特例法」の優遇措置で合併を奨励、地方分権の受け皿となる効率的規模の自治体作りを推進してきた。しかし財政危機にあえぐ自治体の多くは、まず財政的に有利な枠組みを模索、決まりかけた合併が破綻するケースが相次いでいる。この2年で合併を断念し、解散した合併協議会は、全国で70以上に上る。福岡県の甘木・朝倉地域でも、2年前、7市町村が一つになろうと合併協議が始まったが、利害の対立から破綻。危機感を強めた宝珠山村と小石原村の2村は、合併しても「村」のままという、日本最小の「ミニ合併」で取りあえず特例措置の恩恵を享受しようとしている。
甘木朝倉地域の2年間の取り組みに密着取材し、「平成の大合併」の裏側で追いつめられている地方の実状を伝える。
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