今月5日に史上初の直接選挙が行われたインドネシアの大統領選挙。その行方を左右するキーワードとして注目を集めたのが「イスラム教」。直前にメッカへの巡礼を行って敬虔なイスラム教徒としてのイメージを強調したり、副大統領候補に有力イスラム団体の幹部を抜擢し組織票を取り込もうと各候補がしのぎを削ったのである。
背景にはこれまで穏健とされてきたインドネシアのイスラム教徒が中東情勢の影響を受け、自分達の声を政治に反映させようとしている事実がある。国民の期待を一身に担って登場したメガワティ大統領が結局暮らしを豊かにしてくれなかった失望が、より政治的なイスラムへの支持へとつながっていったのだ。
これまでインドネシアにはなかったイスラム原理主義的な綱領を掲げる政党も登場、反米デモを繰り広げるなど急速に支持を集め始めている。変わり始めたインドネシアのイスラムの姿を、大統領選をとおして描く。
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