4月上旬、バグダッド陥落の混乱の中、メソポタミア文明の貴重な文化財が奪われた。
被害は当初17万点と伝えられたが、ユネスコなどの調査が進む中、実際は事前の避難作戦が功を奏し、数千点とみられることが明らかになってきた。その一方で、貴重なものを選んで盗みだし、その資料を焼き捨て何を盗んだか分からなくするなど、内部に詳しい人間が関係した組織的犯行の実態も浮き彫りになってきた。
イラクの文化財は91年の湾岸戦争後の政情不安下でも略奪されており、一部が2001年にロンドンで見つかった他は、ほとんどが今も行方不明のままで、専門家は今回の戦争前に保護の必要性を訴えていた。
略奪の真相を博物館関係者などに取材して明らかにするとともに、湾岸戦争後に略奪された文化財の行方を追い、イラク文化財の略奪の実態と文化財を取り戻すことの困難さを描く。
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