写真で福井の魅力を再発見人気上昇“フォトウォーク”

Reディスカバー福井

2023年10月25日

ニュースザウルスふくい

写真好きな人たちが集まり、福井県内の美しい風景を撮影するイベント「フォトウォーク」を知っていますか？おととしから開催され、参加者はすでにのべ300人となる盛り上がりになっています。人気の理由は、写真のうまい下手ではなく、それぞれの感じ方で風景を切り取り、魅力を共有し合えることです。イベントを主催する男性を取材しました。

レンズを通して福井の魅力再発見

福井県内の風景を切り取り、写真展などを開催する吉田晃大さんです。福井生まれの福井育ち。趣味のバイクで県内各地を巡って、ふるさとの美しい風景を写真に残しています。

吉田さんが敦賀市の海岸で撮った写真です。山と海、自然に囲まれて釣りをする人の姿など、見慣れた風景も、レンズを通すと別の表情を見せてくれるといいます。吉田さんは写真をSNSで投稿していて、現在2万人近くの人がフォローしています。

吉田晃大さん
福井のいろいろな場所で写真を撮っていると、改めて海も山もすごくきれいで、写真を通して福井の自然の豊かさや美しさを再発見することが多々あります。日本全国の有名できれいなスポットっていうのは、もう撮り尽くされているといいますか。ただ福井でまだ僕たちが気付いていないスポットに関してはすごく開拓の余地や表現の余地が残されていて、それが逆に魅力かなと思います。

SNSフォロワー約2万人でも･･･

吉田さんが本格的に写真を始めたのは6年前。当初は撮った写真をSNSに投稿するだけでしたが、次第にもっと違う楽しみ方もできないかと考えるようになったといいます。

吉田晃大さん
（SNSは）一回スクロールすると写真が流れていってしまうっていうのでなんとなくさみしい気持ちになってきたんです。写真って本来もっと気持ちを込めて撮って、編集作業をしてっていう思い入れのあるモノなのに、1枚の価値がすごく薄いような感じがしてしまって。なのでSNS以外で写真をアウトプットできるようなことをしたいとに思ってました。それにSNSのいいね数って、アルゴリズムでいろんな人のおすすめに出てくるかどうかが大きく左右するので、人に発掘されていないけど、ものすごくいい写真を撮る方もたくさんいらっしゃるでしょうし、そうした方との交流もしたいなと。

300人以上が参加！フォトウォーク

そこで吉田さんがおととしから始めたのが、 “フォトウォーク”というイベントです。写真好きの人たちが集まり、一緒に撮影を楽しみます。

城下町があった商店街や夕暮れ時の海水浴場など、県内のさまざまな場所を舞台にこれまで15回開催し、のべ300人以上が参加しました。

吉田晃大さん
フォトウォークという手段にしたのは、もっとリアルなオフラインで写真の良さを実感し合えるような場が作りたいと思って。正直僕は、写真のうまい下手とかにベクトルを向けるとあまり楽しくないと思っていて。みんなで街を撮り歩きながら「いろんな視点あるよね」って、正解も不正解もなく、いろんな価値観を共有することに魅力を感じました。

“自分だけ”の魅力を切り取る

8月上旬、勝山市にある平泉寺白山神社でフォトウォークが開催されました。朝7時、カメラを持った参加者40人が続々と集まってきました。

朝の澄んだ空気に包まれ、境内には静かな時間が流れるなか、それぞれがこの場所、この時間でしか出会えない風景を切り取っていきます。

参加者が撮影した写真です。木立から朝日が差し込み、境内の風景がドラマチックに写っています。

カメラを向ける方向は皆それぞれです。木々を仰ぐ人もいれば、地面をじっと見つめる男性の姿も。

今回がフォトウォーク初参加という男性が切り取ったのは、目の前に広がるこけの風景でした。

撮影した男性
こけが好きで、遠くから撮るのもきれいだったんですけど、近くで撮ると山っぽいというか。また見え方が違うなというのは今回初めて気付きました。

参加者たちがシャッターを切りながら見つけていたのは自分だけの魅力でした。

吉田晃大さん
全体を美しいという人もいれば、こけの細部にわたるところに美しいと感じる人もいて、さまざまなんです。同じ場所で撮っていても、撮る人によって全然違う切り取り方をするおもしろさがあって、そこにその人の価値観が反映される。（フォトウォークは）ほかの人の価値観やすてきなものを感じる心に触れることができて、そこがおもしろさだと思っています。