武蔵野

東京都
2017年6月23日 放送

国木田独歩の随筆「武蔵野」(明治31年)で全国的な知名度を獲得した“武蔵野”。明確な定義はないが、埼玉県川越以南から東京の府中までの間に広がる広大な地域を指すと言われる。万葉集を始め、古来様々な文芸作品に登場してきたが、描かれる姿はどれも雄大な大自然だ。古代の多摩川が削った「ハケ」と呼ばれる崖地からなる武蔵野には多数の湧水があり集落が形成された。江戸時代には玉川上水が開削、新田開発も盛んに行われ、多くの人が住み始めるようになる。今もこの地には、豊かな自然を利用した暮らしが残っている。埼玉県三芳町では江戸時代の入植者の末裔が、屋敷地、農地、平地林を整然と区画した“三富新田”という農地で伝統的な農業を行っている。林は強風から畑を守るだけでなく落ち葉が堆肥になり作物が栽培できる。300年以上続く循環型農法だ。その一方、復活させたものもある。今年百周年を迎える井の頭公園の井の頭池は、徳川家康が関東随一と讃えるほどの名水だったが、1960年代の急速な都市化によって地下水が枯渇し水質が悪化。見る影もなくなった池を再生させようと立ち上がったのは、地元の住民たちだった。池の水を抜き、底を天日干しするなどの対策を続けた結果、池の周りの自然も甦りつつある。番組では、春の武蔵野を巡り、この地で培われてきた文化や人々の暮らしを通して、古代から多くの人々に愛されてきたそのわけを探る。

紹介したトピックス
旅のとっておき

「武蔵野」を担当いたしました。佐野です。
3月~5月まで、武蔵野の各地でロケを行いましたが、一口に言って、「武蔵野は広い!」。
都心に近いのに、知らないことがたくさんあり、また出会った人々の中にも、都会人の洗練された感覚と田舎のあったかみが共存していて、とても発見の多い旅でした。続きを読む

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