吉野川

高知県 徳島県
2015年2月27日 放送

徳島を東西に貫く吉野川。全長194キロ、四国一の流域面積を誇り、日本有数の多雨地帯に水源がある。「四国三郎」の異名を持ち、古くから人々の暮らしに恵み、そして災いをもたらしてきた。この暴れ川に飲みこまれた暮らしは数えきれない。治水技術が発展した現代でも吉野川はたびたび氾濫。60万人が暮らす流域に大きな被害をもたらしてきた。
そうは言っても、地域が栄えるきっかけになったのも、また吉野川。豊富な水の流れは肥沃な土を運び、徳島が誇る藍染めなど豊かな実りをもたらしてきた。暴れ川との付き合いには慣れている阿波の人々。暴れ川を手なずけながら、暴れ川がもたらす恵みを享受し続けている。
徳島の中心を流れる大河・吉野川沿いの暮らしと文化を見つめ、たくましく、したたかに生きる人々を描く。

<オムニバス項目(抜粋)>
●“かすがい”は鮎
  鮎料理屋の看板娘に、釣り師が惚れ込んで37年。清流の女王を追い求める夫婦の日々。
●日本一の激流
  激流に魅せられた男は妻子を残し、ラフティングの聖地・吉野川へ単身赴任。
●暴れ川の贈り物
  全国を席巻した阿波の「藍」。19代目の藍師に冬の兆しを知らせるのは吉野川のカモたち。
●悲しみを川に流す
  河原に石を積み上げただけの「水墓」で、亡き人をしのぶ。流域に残る初盆の風習。
●暴れ川と生きる
  国内初、住民投票による公共事業の撤回。人々は暴れ川と生きる覚悟を決めた。
●高さ4メートルのお地蔵さま
  作物が流されても、高地蔵さんが見ていてくれればまたがんばれる…。

旅のとっておき

「吉野川」を担当した大麻です。
徳島県を横断し、紀伊水道まで流れ込む吉野川。今回はその流域に暮らす人々を取材しました。日本三大暴れ川の一つと言われていますが、ここに暮らす徳島の人たちにとって吉野川はまさに「我が家」。単に川の豊かな恵みを受ける場所という以上の愛着、思い入れを感じた取材でした。続きを読む

ポスター
吉野川
[画]桜井雄三
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