薔薇現象

迷路に入ってしまった
背中を押されて
初めは誰が押したのだかわからなかった
迷路の入口に立っていたのが不覚だった
でもなんだか好奇心がより湧いて来た
そのまま背中を押されたまま
ぼくは迷路の中を駆け回った
途中いくつもあちらこちらに
棘のない薔薇の花が落ちていた
見つけるたびに不思議と
立ち止まることが出来た
ぼくは花を拾った
そのうち迷路の中から出ることが出来た
背中を押していたのは
誰だと想う?
半透明の蝶だった
ぼくの手には薔薇がいっぱい

朗読

水野みずの 勝浩まさひろ

埼玉県 63歳 
精神障害

わたくしは現在、生活保護を受け、一人暮らしをしています。
自分がやれることは何だろう?と考えたとき、そこに詩がありました。詩作の日々を送っているわたしです。