2022/7/22

セミの上手な捕まえ方は?小学校で出前授業

「どうやったらセミを上手に捕まえられる?」

「セミの幼虫を見てみたい!」

 

そんなこどもたちの疑問に答えるべく、セミ大調査でもおなじみ「日本セミの会」三好智和さんが横浜市立新井小学校で出前授業を行いました。


〇セミの成虫を捕まえるには?
※地域によって天然記念物に指定されているセミがいます。天然記念物の種は採取することが禁止されているので、ご注意ください。

 

・三好さんがセミの観察に持っていくのは虫網双眼鏡
・双眼鏡があると樹木の高いところにとまっているセミも見つけやすくなります。
・セミを見つけたらゆっくりと近づき、網がセミに届く距離まできたら素早く網をかぶせます。最後はぱっと網をひねるとセミに逃げられにくいそうです。

dsc00097

↑三好さんが採集に使っているのは11mまで伸びる虫網!これがあれば高いところにとまっているセミにも届きます。ただ、網を伸ばすと、手で持っている端は相当な重さになるため、重心が取りにくく、上手に網が振れるようになるには練習が必要だそうです。


〇セミの幼虫の“釣り方”

普段、あまり目にすることのない土の中にいるセミの幼虫。三好さんによれば、実はうまくすると”釣れる”んだとか!

 

・夕方、地面をよーく見ていると小さな穴がところどころに現れます。
・穴の中に枝など細いものを差し込んでみて、じっと待ちます。もしその枝がかすかに動くようだったら、中に幼虫がいるかもしれません
・枝を何回か出し入れすると、幼虫が枝をつかむ瞬間があります。その瞬間にそーっと枝を引き上げると幼虫が釣れます。
・釣りあげた幼虫は羽化できるように、近くの木などにとめてあげましょう
・家で羽化を観察する場合はエアコンがついてない部屋を選びましょう。部屋が乾燥していると羽化の途中で体が乾いてしまい、羽化に失敗してしまう可能性があります。

授業には、三好さんにセミの取材をしている新聞記者の山口翔平さんも登壇。セミについて解説している読売KODOMO新聞の記事を紹介しました。この記事のために山口さんと三好さんは4時間粘ってセミの羽化の写真を撮影したそうです。

dsc00214

〇羽化するセミの写真の捕り方

セミが羽化する神秘的な瞬間を写真に撮るには?そのコツを教えてもらいました。

・公園や林など樹木が生えている環境で探します。時間帯は羽化が始まる日没頃がいいでしょう。
・幼虫は穴から出てくると、木の幹など羽化ができる場所を探して歩きだします。木の幹や枝、柵などに注目して探してみましょう。

・羽化をするのにいい場所が見つかったら殻を割って1時間ほどかけて成虫の姿に変わっていきます。
・暗い時間帯に羽化することが多いので懐中電灯やカメラのライトで照らしながら撮影するときれいに撮れます。
・羽化しているセミには絶対に触らないようにしましょう。態勢を崩したりして、途中で羽化に失敗してしまう可能性があります。

・夜でもこまめな水分補給など熱中症対策を万全にしてください。また虫刺されにご注意ください。
・こどもが夕方からの羽化観察に行く場合は必ず大人と一緒にでかけましょう。

 

セミを見つけたら、ぜひシチズンラボに情報をお寄せください

また、見つけたセミの種を調べたい場合はセミ図鑑をつかってみてください。