海外放送事情

ジャーナリズム・ジャーナリスト教育を探る

~上海・復旦大学新聞学院からの報告(下)~

前号では、上海・復旦大学新聞学院の教育内容について、その機構、学部、大学院の概観を紹介した。今回は、そこで学ぶ本科生、大学院生、ジャーナリストの大学院生が、実際どのようなこと学び、研究しているのかについて、『復旦大学新聞学院』のカリキュラムや学生、大学院生、教授たちのインタビューを交えて紹介する。

復旦大学新聞学院は、ジャーナリズム、ジャーナリスト教育を実践している中国屈指の大学である。今回は、日本の大学学科に当たるジャーナリズム、テレビ・ラジオ、コミュニケーションの3コースについて、そのカリキュラムを紹介している。例えば、ジャーナリズム・コース(新聞学科)では、16の専門科目と17の選択科目がある。その専門科目は、フォト・ジャーナリズム、中国のメディア史、ニュースレポートと原稿の書き方、評論と解説、国際報道、調査報道、外国メディア史、ラジオ・テレビジャーナリズム、ジャーナリズムの法と倫理、メディア批評、中華人民共和国のメディア史、インターネット・コミュニケーション概論、メディア経営と多岐にわたっている。その3コースの科目を紹介するほか、日本でも知られている李双龍准教授に、「中国のジャーナリズム」についてや「大学院のジャーナリスト再教育の実情、名門復旦大学新聞学院が抱えるマスメディアの環境変化とジレンマなどについてインタビューした。また在学生には、将来志望するマスメディアについてやインターンシップ制度の具体的内容、さらに現役ジャーナリストの大学院生には講義への取り組み方、職業としてのジャーナリストとは何かについて聞いた。

メディア研究部 小俣一平