海外放送事情

韓国の放送評価制

~放送の“質”を誰が、どう評価するのか~

韓国では2000年に施行された放送法によって、放送局の放送事業・放送の質などを総合的に評価する「放送評価制」が導入されている。放送評価制は独立行政機関である韓国放送委員会によって行われており、900点満点の点数制で行われている点が特徴である。またこの放送評価の中には、放送の質を視聴者調査に基づいて測定する、韓国独自の指標「KI」も2006年から使用されている。

今年8月、筆者らは韓国を訪問し、放送委員会の担当者に放送評価制の導入目的、経緯、課題などについてインタビューを行った。

現在、日本のNHKを含め世界の公共放送は、放送番組や業務運営について客観的な業績評価や放送内容の評価などを行うための試行錯誤を続けているが、その方法論や評価基準、実施主体などは各国ごとに様々である。

本稿では、公共放送に対する評価のあり方の参考事例として韓国の放送評価制を概観したうえで、放送委員会担当者へのインタビューの内容を紹介する。

主任研究員 中村美子 / 専任研究員 米倉律