メディアフォーカス

一連の不祥事でNHK会長 衆院総務委で陳謝

元芸能プロデューサーや地方局部長の不正経理,ソウル支局の経費水増し払い,カラ出張問題などが明るみにでたNHKの一連の不祥事に関して,衆議院総務委員会は9月9日閉会中審査を行った。席上,海老沢会長は「今回の不祥事で,視聴者・国民の皆さまの信頼を損なうような結果となり,多大なご心配,ご迷惑をかけたことを深くお詫び申しあげます」と陳謝した。同時に,「コンプライアンス(法令遵守)推進委員会」を新設するとともに「NHK倫理・行動憲章」を策定するなどして,信頼回復に全力をあげる考えを示した。
 質疑のなかでNHKは,元芸能プロデューサーが知り合いのイベント企画会社の社長に対して,業務実態がないのに4,888万円余りを支払い,このうち937万円が口座にキックバックされていた問題に関して,このほかに現金が元プロデューサーに手渡されていた可能性があることを認めた。さらに1993年から97年にかけてソウル支局で総額約4,400万円を韓国の制作プロダクションに水増し請求させ取材経費に充てていたとされる事件で,当時厳重注意処分を受けた職員に関して「私的な流用は確認できなかった」としたが,「より重く責任を問うべき」だとして,あらためて停職6か月の懲戒処分にしたと答弁した。
 委員会審議についてNHKは中継しなかったが,11日に総合テレビとラジオ第1放送で不祥事に関する1時間の特別番組を放送し,このなかで委員会審議の模様を放送した。委員会審議は地上波では独立UHF局である東京MXテレビなどが中継放送した。

奥田良胤