メディアフォーカス

NHKラジオの地域番組をネット配信総務省が認可

総務省は1月16日,NHKのインターネットラジオ「らじる★らじる」で地域放送番組の配信を認可した。

NHKの「らじる★らじる」は,山間部など電波の入りづらい地域や鉄筋コンクリート住宅など,ラジオ放送が聴取しにくい状況の改善を目的に2011年9月から始まったインターネット同時配信サービス。配信されているのはラジオ第1,ラジオ第2,NHK FMの3波。地域放送枠についてはラジオ第1は関東広域,FMは東京の都域放送の番組をそれぞれ全国配信してきた。

今回NHKでは,近畿広域,中京広域,宮城県域などの各地域放送の番組も新たに配信しようと2012年12月に総務省に認可を申請した。申請を受けて総務省は意見を募集したところ,あわせて2,100件余りが寄せられた。

このうち,「なし崩し的にNHKの業務を拡大することは慎むべき」(テレビ朝日),「必要不可欠であるとは考えられない」(民放連),「安易に認められることがないよう求める」(新聞協会)などと厳しい意見も見られた。さらに「ラジオの放送免許が地域免許に基づく以上,本来ならば,インターネットによる同時配信についても各地域放送局の放送対象地域に即して配信すべきである」(日本テレビ)と地域放送番組の全国配信に反対する意見も出された。

その一方で,「『NHKと民放ラジオの最大の課題である聴取拡大』という観点からも理解可能」で「異論はない」(ニッポン放送)と認可を支持する内容もあった。NHKでは2013年度中に今回,認可を受けた各地域放送を配信する予定。

関谷道雄