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ツイッターが活躍したアメリカ大統領選挙

オバマ大統領が再選を果たした11月6日のアメリカ大統領選挙では,従来のテレビ各局の開票速報に加え,ツイッターなどのSNSが大きな役割を果たした。

ニールセンによると,夜の開票特番は13のネットワーク(ABC, CBS, FOX, NBC, PBS, Univision, Telemundo, CNBS, CNN, FOX
News Channel, MSNBC, Current TV, TV One)が放送し,視聴者総数は6,680万人で,2008年にオバマ氏が初当選した時を270万人下回った。視聴者が最も多かったのはNBCの1,210万人で, 以下,FNC,ABC,CNN,CBSとなっている。オバマ氏再選を伝えたのもNBCが最も早く,6日午後11時12分,次いでCBSが同15分,FNCが同17分,CNNが同18分,ABCが同25分だった。

選挙期間中に加え,大統領選の開票当日もツイッターの積極的な利用が目立った。象徴的なものとして,テレビ各局が当確を伝え始めた頃,勝利演説やメール配信に先駆けて,オバマ陣営はいち早くツイッターで“勝利宣言”を出した。その後も立て続けに支援者に感謝や決意表明の「つぶやき」を送り続け,特に青空をバックにミシェル夫人を抱擁するオバマ大統領の写真は大きな反響を呼び,翌朝までに67万回以上引用され,ツイッター史上最高の人気となった。ツイッター社によると,この日の選挙関連のつぶやきは3,100万に達し,オバマ氏の勝利が確定したピーク時には1分で32万を超えた。同社の担当者は「速報だけでなく,ほかの人と感動を共有したり,候補者と直接繋がったりできるツイッターの強みが生かされた」と語っている。

柴田 厚