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県外の避難所に情報番組とニュース テレビユー福島がIPTV発信

テレビユー福島が,2011年4月15日から福島県内向けの地域情報番組とニュースを,埼玉県加須市に集団で避難している双葉町の住民に配信し始めた。民放連によると東日本大震災に関連する地域放送番組の県外への配信は初めての試みである。

福島第1原子力発電所のある福島県双葉町は,避難指示を受けて埼玉県加須市の元騎西高校校舎跡に役場機能を移し,ここで1,300人余の町民が避難生活を送っている。

テレビユー福島はこの避難所向けに,朝9時55分から30分間放送している生活情報番組『グーテン』と夕方6時15分から40分間のローカルニュース『スイッチ』を4月15日から配信し始めた。放送と同時配信すると放送の区域外送信となるため,番組とニュースを録画し,CMを削除するなどしたあと光回線で送るIPTVの仕組みを使い,1時間後には避難所で視聴できるようにしている。

『グーテン』はローカル情報番組で,被災者向けの情報やガンバローメールなどが放送されている。番組とニュースのほか,著名人による応援メッセージや応援ソングなども配信されており,避難所の42インチテレビで常時視聴できるようになっている。

テレビユー福島の伊藤明報道制作局長は「テレビ局として県外の避難者に何ができるのかを考えた。今後は,双葉町の住民で他の地区に避難している人たちの情報とか,双葉町への一時帰還が実現すれば,その映像とかを番組とは別に映像素材として送ることも検討している」と話している。

奥田良胤